Pixivに投稿されたイラストを無断でAIに学習させて利益を得ている人が増えています。
自分のイラストをAIイラストの学習に利用されない方法があるそうなので紹介します!
また、AIイラストに利用されても対抗できる方法についてもいくつかまとめました。
- 画像生成AIからイラストの学習・模倣を阻止&保護するソフト『Glaze』!
- AIイラストの学習・模倣に対する対抗方法①~⑤
- 画像生成AIに対抗できないケース
画像生成AIからイラストの学習・模倣を阻止&保護するソフト『Glaze』!
画像生成AIがイラストを無断で学習し模倣するようになって間もなく登場したツールソフト『Glaze』は、アメリカシカゴ大学の学術研究グループが開発したソフトです。
『Glaze』は様々な画像生成AIに絵柄や画風を学習・模倣をさせないように、イラストに人間の目にはほとんど見えない微小の変更を加えるツールです。
変更を加えることで、人が見る時は本来のイラストと変わらないように見えますが、AIが学習する際は、本来のイラストとは違う画風に解釈させることができます。
以下は実際に『Glaze』で変更を加えたイラストの一例です。
「自分の絵を画像生成AIから守る」――学習される前に絵に“ノイズ”を仕込みモデルに作風を模倣させない技術「Glaze」 https://t.co/hVacN7XSko ネット公開前に敵対的な摂動を注入。学習されても全く違う画像が生成される。図左2列が元画像,右2列が妨害後画像。プロ絵師約1000人の90%以上が保護成功と評価 pic.twitter.com/YAu5ING148
— Seamless (@shiropen2) February 21, 2023
しかし、この技術も絶対的な解決策にはなり得ないと言われています。
技術の進化によって、『Glaze』に使われている技術を突破できるAIが開発される可能性も大いにあると開発者たちは考えています。
そのため、『Glaze』の開発者たちは、『Glaze』とその後続プロジェクトへの長期的な取り組みが必要だと考えており、今もそのための活動を進めていると発表しました。
これまでの流れから、今後はイラストを学習・模倣するAIと、その機能を妨害する『Glaze』のような技術の開発戦争が本格化するのではないかと言われています。
今後については、また状況が変わった時に対応するとして、当面はまずこのツールを利用してみるのも良いのかもしれませんね。
AIイラストの学習・模倣に対する対抗方法
これから紹介するのは、上記のようなツールを用いる方法ではなく、人間自身がAIに対抗できる手段となるので、全員が対応できるわけではないのかもしれませんが、ご自身のスタイルに合った対抗策を見つける手がかりになれば幸いです。
AIイラストへの対抗策①個性的な絵柄
現在、日に日にAIイラストが量産されていますが、それらを一通り見て行くとある程度、似たような絵柄・画風に偏っていることが分かります。
端的に言うと萌え系や綺麗系など流行りの画風が一番よく学習されています。
これらは、AIイラストが問題になる以前からもそういう風潮があると言われていました。
誰もが手軽にイラストを描ける時代になってから、以前より似通った絵柄や画風をよく見かけるようになったんですよね。
絵が上手な人の絵を真似て描くとどうしてもその絵柄・画風の影響を受けてしまうのは仕方ありませんし、好みの絵柄であればあるほど真似て描くので、自然と絵柄・画風が似通ってしまうのです。
これはある意味、画像生成AIが他のイラストを学習・模倣して、新たなイラストを生成する過程と同じとも言えます。
違いは、人が真似をする場合、完全な絵柄のコピーにしない&できないことが多く、ある程度描いていくと自然とそれぞれの個性も出てきて、自分だけのオリジナルな絵柄・画風を生み出すに対し、画像生成AIは同じ過程を経ても、独自の絵柄・画風を生み出すことはしない&できないという点です。
これは人も同じと言えばそうなのですが、ただ、人間の場合、そのことを自覚した時に、独自に工夫して新たな絵柄・画風に変えて行こうと考える頭脳があります。
要するに、ある程度腕に自信のある絵師(イラストレーター)なら、自身の絵柄・画風を研究して、独自の癖を強く出せる絵柄に変えていくこともできるのではないでしょうか。
つまり、その絵を見た時に
あ!これは〇〇さんの絵柄だ!
と、知ってる人なら一発で分かるほど、個性的な絵柄・画風であれば、AIイラストの対抗としては十分に通じると思われます。
もし、画像生成AIがその絵柄・画風を学習してイラストを生成した際、誰が見ても
〇〇さんの絵を無断で学習した!
と分かることで、イラストレーターは即時にしかるべき措置を取りやすくなるということです。
分かりやすい例で言うと、ドラゴンボールとDr.スランプの著者・鳥山明先生やワンピースの著者・尾田栄一郎先生のように、特徴のある絵柄であればあるほど、画像生成AIが学習した際に、権利を守りやすいということです。
或いは、コミカルなイラストや漫画を描かれる方々の絵柄なども個性的な傾向が強いと言えますね。
ただ、これには独自の絵柄・画風を開発するという大変難易度の高いテクニックが必要です。
センスも必要なので、イラストレーターを生業とする人だからといって、誰もが出来る対抗策ではないのかもしれません。
それでも、独自の絵柄・画風を追及することで、その絵師(イラストレーター)だけの持ち味をイラストに含ませることはできると思いますし、その完成度が高ければ高いほどAIイラストへの対抗策としては有効になると思われます。
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