画像生成AIに無断でイラストを学習・模倣されても対抗できる方法をまとめて紹介!

サブカルチャー

Pixivに投稿されたイラストを無断でAIに学習させて利益を得ている人が増えています。

自分のイラストをAIイラストの学習に利用されない方法があるそうなので紹介します!

また、AIイラストに利用されても対抗できる方法についてもいくつかまとめました。

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画像生成AIからイラストの学習・模倣を阻止&保護するソフト『Glaze』!

画像生成AIがイラストを無断で学習し模倣するようになって間もなく登場したツールソフト『Glaze』は、アメリカシカゴ大学の学術研究グループが開発したソフトです。

『Glaze』は様々な画像生成AIに絵柄や画風を学習・模倣をさせないように、イラストに人間の目にはほとんど見えない微小の変更を加えるツールです。

変更を加えることで、人が見る時は本来のイラストと変わらないように見えますが、AIが学習する際は、本来のイラストとは違う画風に解釈させることができます。

以下は実際に『Glaze』で変更を加えたイラストの一例です。

現時点で、AIに自身のイラストを学習・模倣させない対策として『Glaze』が最善と言われています。

しかし、この技術も絶対的な解決策にはなり得ないと言われています。

技術の進化によって、『Glaze』に使われている技術を突破できるAIが開発される可能性も大いにあると開発者たちは考えています。

そのため、『Glaze』の開発者たちは、『Glaze』とその後続プロジェクトへの長期的な取り組みが必要だと考えており、今もそのための活動を進めていると発表しました。

これまでの流れから、今後はイラストを学習・模倣するAIと、その機能を妨害する『Glaze』のような技術の開発戦争が本格化するのではないかと言われています。

今後については、また状況が変わった時に対応するとして、当面はまずこのツールを利用してみるのも良いのかもしれませんね。

AIイラストの学習・模倣に対する対抗方法

これから紹介するのは、上記のようなツールを用いる方法ではなく、人間自身がAIに対抗できる手段となるので、全員が対応できるわけではないのかもしれませんが、ご自身のスタイルに合った対抗策を見つける手がかりになれば幸いです。

AIイラストへの対抗策①個性的な絵柄

現在、日に日にAIイラストが量産されていますが、それらを一通り見て行くとある程度、似たような絵柄・画風に偏っていることが分かります。

端的に言うと萌え系や綺麗系など流行りの画風が一番よく学習されています。

これらは、AIイラストが問題になる以前からもそういう風潮があると言われていました。

誰もが手軽にイラストを描ける時代になってから、以前より似通った絵柄や画風をよく見かけるようになったんですよね。

絵が上手な人の絵を真似て描くとどうしてもその絵柄・画風の影響を受けてしまうのは仕方ありませんし、好みの絵柄であればあるほど真似て描くので、自然と絵柄・画風が似通ってしまうのです。

これはある意味、画像生成AIが他のイラストを学習・模倣して、新たなイラストを生成する過程と同じとも言えます。

違いは、人が真似をする場合、完全な絵柄のコピーにしない&できないことが多く、ある程度描いていくと自然とそれぞれの個性も出てきて、自分だけのオリジナルな絵柄・画風を生み出すに対し、画像生成AIは同じ過程を経ても、独自の絵柄・画風を生み出すことはしない&できないという点です。

色々な人の絵柄・画風を学習させることによって、いっけん独自の絵柄・画風っぽいイラストを生成できるようにも思えますが、そうやって生成されたイラストは大抵が”どこかで見たことのある絵柄・画風”という感じを完全には払拭できません。

これは人も同じと言えばそうなのですが、ただ、人間の場合、そのことを自覚した時に、独自に工夫して新たな絵柄・画風に変えて行こうと考える頭脳があります。

要するに、ある程度腕に自信のある絵師(イラストレーター)なら、自身の絵柄・画風を研究して、独自の癖を強く出せる絵柄に変えていくこともできるのではないでしょうか。

つまり、その絵を見た時に

あ!これは〇〇さんの絵柄だ!

と、知ってる人なら一発で分かるほど、個性的な絵柄・画風であれば、AIイラストの対抗としては十分に通じると思われます。

もし、画像生成AIがその絵柄・画風を学習してイラストを生成した際、誰が見ても

〇〇さんの絵を無断で学習した!

と分かることで、イラストレーターは即時にしかるべき措置を取りやすくなるということです。

分かりやすい例で言うと、ドラゴンボールとDr.スランプの著者・鳥山明先生やワンピースの著者・尾田栄一郎先生のように、特徴のある絵柄であればあるほど、画像生成AIが学習した際に、権利を守りやすいということです。

或いは、コミカルなイラストや漫画を描かれる方々の絵柄なども個性的な傾向が強いと言えますね。

ただ、これには独自の絵柄・画風を開発するという大変難易度の高いテクニックが必要です。

センスも必要なので、イラストレーターを生業とする人だからといって、誰もが出来る対抗策ではないのかもしれません。

それでも、独自の絵柄・画風を追及することで、その絵師(イラストレーター)だけの持ち味をイラストに含ませることはできると思いますし、その完成度が高ければ高いほどAIイラストへの対抗策としては有効になると思われます。

AIイラストへの対抗策②独自の世界観

絵柄・画風はそこまで特徴的でなくても、描くイラストの世界観が独特であれば、これもまた画像生成AIへの対抗策として通じるのではないかと思われます。

  • ユーモア溢れるイラスト・漫画(内容)をメインに描いている
  • イラストを描く時、常に独自の世界観を表現した作品を描いている

つまり、これらのイラストの需要は、絵柄・画風だけではなく、それに合わさった世界観・内容であるということです。

その場合、画像生成AIでイラストだけ真似ても、その絵師(イラストレーター)の絵を見たい人達は、内容(世界観)の伴った作品が見たいわけですから、画像生成AIでは需要を満たすことができません。

画像生成AIで需要を満たそうとしたら、画像生成AIでイラストを生成する人間自身が、求められる内容(世界観)を持ち合わせていないといけないので、他人に追従されないセンスであれば、いくら絵柄・画風を真似られても読者の需要を奪われることはないでしょう。

AIイラストへの対抗策③一点物のアナログ販売をする

この対抗策は、これまで紹介した対抗策の中で一番ハードルの高い対抗策です。

つまり自身のイラストをアナログ一点物で販売しても需要があるレベルに仕上げるということです。

このレベルで対抗できるとしたら美大出身の本格的な画家クラスの実力が求められるので、少し厳しいのかもしれません。

”その人”の絵であることに価値を見出せるというレベルであれば、画像生成AIで似たようなイラストが生成できるとしても、ファンは”その人”が描いたイラストが欲しいわけですから、画像生成AIに需要を奪われることはそうそうないでしょう。

濱口瑛士(不登校の天才画家)

写実画家・岡靖知

画家youtuber・柴崎春通

本物っぽい絵

人気漫画家のイラスト集

これらの場合は、アナログでもその人の作品に対する一定の需要があるため、画像生成AIの著作権侵害は最小限に抑えることができます。

さらにこういう絵の場合、画像生成AIの学習・模倣の対象になることそのものがほとんどないのもメリットですね。

AIイラストへの対抗策④個人サイトに掲載

これまで紹介した方法の共通点は、あくまでセンスと実力だけで画像生成AIに対抗する方法でした。

しかし、世の中には趣味の範囲で可愛い・綺麗なイラストを描きたいという人もたくさんいらっしゃいます。

そういう方々は、上記の方法では自身のイラストを守ることはなかなか厳しいと思われます。

そのため、現在噂されているのが、Pixivから個人サイト時代への逆戻りです。

画像生成AIはPixivなど、大量の絵が掲載されたサイトの中から対象となる絵を抽出しているケースがほとんどなので、Pixivに掲載せず、自分だけの個人サイトにのみイラストを掲載すれば、無差別に画像生成AIに学習されることは回避できる可能性が高いです。

しかし、これだけでは万全とは言い難いので、個人サイトに掲載すると同時に、上記で紹介した『Glaze』のツールも併用するとなお良いでしょう。

因みに個人サイトに掲載する際、イラストがグーグルの検索結果に表示されないように、イラスト自体はインデックス除外設定をした方がより安全かもしれません。

ただ、この方法では自身のイラストの宣伝がなかなか難しいと思うんですよね。

その場合は、ツイッターやインスタグラムを利用して、一時的にイラストを掲載してフォロワーを増やし、しばらくしたらSNSからはイラストを削除するという方法もあります。

SNSから消した後は、個人サイトにアクセスして見てもらうようプロフィール等に誘導先を記載しておけば大丈夫でしょう。

この方法であれば、無差別に学習収集する画像生成AIからは回避できます。

ですが、ピンポイントで自身のイラストが学習対象として狙われる場合もあるので、そのための『Glaze』というわけですね。

もし『Glaze』まで突破して、ピンポイントで狙われるのなら、そういう悪質なケースは大抵が、その作家の絵柄・画風そのものが欲しくて狙うケースだと思われるので、絵柄・画風が酷似している可能性が高いはずです。

その場合は法的に戦って勝てる見込みが高いので、Pixivに掲載して学習されるよりずっと安全だと思われます。

つまり学習されたイラストがPixivなどに掲載されたら削除請求が通りやすいと考えられます。
現在、画像生成AIを利用して悪質な金儲けをしている人達の大半は、手っ取り早く稼ぐ目的で画像生成AIを利用しているため、上記の方法で回避をしている人はすぐには狙おうとしません。

何より、今のところ『Glaze』の回避策は出ておらず、何の技術もなく画像生成AIツールを利用する人達には手の打ちようがないので、まず安全と言えるのではないでしょうか。

AIイラストへの対抗策⑤AIイラスト規制のサービスを利用

現在、PixivはAIイラストとの共存を選んでいますが、既にAIイラストを締め出したサービスもいくつか存在します。

Pixivに掲載したくない場合は、これらのサイトへ移転することも検討してみてください。

但し、これらのサイトに掲載しても学習対象にされる可能性はありますので、イラスト公開時は『Glaze』も併用すると良いでしょう。

この方法は、これまで紹介した対抗策の中では、一番弱い方法かもしれませんが、たとえ完全に防ぐことが出来なくても、運営元の方針そのものがどうであるかは、絵師(イラストレーター)にとって大変重要な要素の1つであることは、大いに言えるのではないでしょうか。

画像生成AIに対抗できないケース

最後に、画像生成AIイラストに対抗できない可能性が高いイラストの傾向を紹介します。

  • 成人向けのイラスト・漫画
  • 流行りの絵柄・画風に酷似しており、手癖が少なく独自の特徴が目立ちにくいイラスト

大変残念なことですが、これらの傾向が強いイラストは、今後、画像生成AIに対抗するのはかなり厳しいと言わざるを得ません。

今後、社会としては画像生成AIは、規制するより活用する方向で検討される可能性が高いです。

何故なら、ちょっとしたイラストなら画像生成AIで補正させ出力させた方が圧倒的に合理的であり効率的だからです。

  • 見栄えを良くしたい
  • 欲求(成人向け)を満たしたい
  • 補足用のちょっとしたイラストがほしい

というシンプルな要望への需要は、画像生成AIの登場によって、今後激減すると言っても過言ではありません。

今は画像生成AIで生成されたイラストで荒稼ぎする人もいますが、いずれ誰もが手軽に画像生成AIを使えるようになったら、わざわざ画像生成AIイラストを買わず、自分で生成するようになる人が増えます。

今、画像生成AIのイラストを購入する人達は、画像生成AIの概念や使い方をあまり理解しておらず、見慣れた上手な絵に惹かれて課金する人達がほとんどです。

しかし、画像生成AIで生成された絵はパターンがほとんど決まっているので、そのうち飽きてきますし、飽きない人達は、上記で言ったように、やがて自分で作成したほうがもっと良いと気付くようになります。

そうすると画像生成AIイラストへの需要も一気に減ってきて、そこそこのイラストなら誰もが手軽に制作して楽しめることが当たり前のようになるのではないでしょうか。

そうなったら、画像生成AIイラストで荒稼ぎすることも難しくはなるのですが、画像生成AIで作成したイラストそのものはネット上に溢れるようになるでしょう。

それ自体は回避のしようがないので、後は各々絵師(イラストレーター)が今後のご自身の目指したい将来を今のうちに考えるのがベストではないかと思われます。

ここまでお読み頂きましてありがとうございました。

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