AIイラストの学習・模倣に対する対抗方法
AIイラストへの対抗策④個人サイトに掲載
これまで紹介した方法の共通点は、あくまでセンスと実力だけで画像生成AIに対抗する方法でした。
しかし、世の中には趣味の範囲で可愛い・綺麗なイラストを描きたいという人もたくさんいらっしゃいます。
そういう方々は、上記の方法では自身のイラストを守ることはなかなか厳しいと思われます。
そのため、現在噂されているのが、Pixivから個人サイト時代への逆戻りです。
画像生成AIはPixivなど、大量の絵が掲載されたサイトの中から対象となる絵を抽出しているケースがほとんどなので、Pixivに掲載せず、自分だけの個人サイトにのみイラストを掲載すれば、無差別に画像生成AIに学習されることは回避できる可能性が高いです。
しかし、これだけでは万全とは言い難いので、個人サイトに掲載すると同時に、上記で紹介した『Glaze』のツールも併用するとなお良いでしょう。
因みに個人サイトに掲載する際、イラストがグーグルの検索結果に表示されないように、イラスト自体はインデックス除外設定をした方がより安全かもしれません。
ただ、この方法では自身のイラストの宣伝がなかなか難しいと思うんですよね。
その場合は、ツイッターやインスタグラムを利用して、一時的にイラストを掲載してフォロワーを増やし、しばらくしたらSNSからはイラストを削除するという方法もあります。
SNSから消した後は、個人サイトにアクセスして見てもらうようプロフィール等に誘導先を記載しておけば大丈夫でしょう。
この方法であれば、無差別に学習収集する画像生成AIからは回避できます。
ですが、ピンポイントで自身のイラストが学習対象として狙われる場合もあるので、そのための『Glaze』というわけですね。
もし『Glaze』まで突破して、ピンポイントで狙われるのなら、そういう悪質なケースは大抵が、その作家の絵柄・画風そのものが欲しくて狙うケースだと思われるので、絵柄・画風が酷似している可能性が高いはずです。
その場合は法的に戦って勝てる見込みが高いので、Pixivに掲載して学習されるよりずっと安全だと思われます。
何より、今のところ『Glaze』の回避策は出ておらず、何の技術もなく画像生成AIツールを利用する人達には手の打ちようがないので、まず安全と言えるのではないでしょうか。
AIイラストへの対抗策⑤AIイラスト規制のサービスを利用
現在、PixivはAIイラストとの共存を選んでいますが、既にAIイラストを締め出したサービスもいくつか存在します。
Pixivに掲載したくない場合は、これらのサイトへ移転することも検討してみてください。
但し、これらのサイトに掲載しても学習対象にされる可能性はありますので、イラスト公開時は『Glaze』も併用すると良いでしょう。
FANBOX、FantiaがAIイラストの投稿を禁止する
まだ禁止されていないCi-enにAI絵師が殺到、10分おきに新アカが誕生してる模様 pic.twitter.com/x4BzSaOijB— 会木 (@tatatataniguthi) May 10, 2023
「AIが生成したイラストの投稿禁止」をイラスト投稿サイトが次々に決定し始めているhttps://t.co/urSJrfsis5
— GIGAZINE(ギガジン) (@gigazine) September 13, 2022
この方法は、これまで紹介した対抗策の中では、一番弱い方法かもしれませんが、たとえ完全に防ぐことが出来なくても、運営元の方針そのものがどうであるかは、絵師(イラストレーター)にとって大変重要な要素の1つであることは、大いに言えるのではないでしょうか。
Fanboxとかfantiaみたいなクリエイター支援サイトがAIイラスト投稿禁止に舵を切ったのは、盗難クレジットカードの現金化防止やマネーロンダリング対策みたいな感じなんでしょうかね。
運営としては、表現の場を反社の”洗濯機”にするわけにはいかないでしょうし。
— 魔女の箒星雲 (@witchsbroomYK) May 10, 2023
画像生成AIに対抗できないケース
最後に、画像生成AIイラストに対抗できない可能性が高いイラストの傾向を紹介します。
- 成人向けのイラスト・漫画
- 流行りの絵柄・画風に酷似しており、手癖が少なく独自の特徴が目立ちにくいイラスト
大変残念なことですが、これらの傾向が強いイラストは、今後、画像生成AIに対抗するのはかなり厳しいと言わざるを得ません。
今後、社会としては画像生成AIは、規制するより活用する方向で検討される可能性が高いです。
何故なら、ちょっとしたイラストなら画像生成AIで補正させ出力させた方が圧倒的に合理的であり効率的だからです。
- 見栄えを良くしたい
- 欲求(成人向け)を満たしたい
- 補足用のちょっとしたイラストがほしい
というシンプルな要望への需要は、画像生成AIの登場によって、今後激減すると言っても過言ではありません。
今は画像生成AIで生成されたイラストで荒稼ぎする人もいますが、いずれ誰もが手軽に画像生成AIを使えるようになったら、わざわざ画像生成AIイラストを買わず、自分で生成するようになる人が増えます。
今、画像生成AIのイラストを購入する人達は、画像生成AIの概念や使い方をあまり理解しておらず、見慣れた上手な絵に惹かれて課金する人達がほとんどです。
しかし、画像生成AIで生成された絵はパターンがほとんど決まっているので、そのうち飽きてきますし、飽きない人達は、上記で言ったように、やがて自分で作成したほうがもっと良いと気付くようになります。
そうすると画像生成AIイラストへの需要も一気に減ってきて、そこそこのイラストなら誰もが手軽に制作して楽しめることが当たり前のようになるのではないでしょうか。
そうなったら、画像生成AIイラストで荒稼ぎすることも難しくはなるのですが、画像生成AIで作成したイラストそのものはネット上に溢れるようになるでしょう。
ここまでお読み頂きましてありがとうございました。
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