Cygames(サイゲームズ)が人気ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」の件でコナミ(KONAMI)の子会社から訴訟を起こされました。
この記事では下記について分かりやすく解説します。
- 「ウマ娘」のどこが問題で訴訟を起こされたのか?
- なぜリリース時ではなく、2年も経った今更訴訟になったのか?
- 白猫問題と同じなのか?
- 「ウマ娘」はサ終(サービス終了)になるのか?
「ウマ娘」のどこが問題で訴訟を起こされたのか?
ウマ娘 プリティーダービーとは?
「ウマ娘 プリティーダービー」は2021年2月24日にCygames(サイゲームズ)よりリリースされたスマートフォン向けの育成ゲームアプリです。
2023年5月現在、リリースから2年が経過しましたが、今でも人気ゲームとして多くのユーザーから支持されています。
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ウマ娘は何故訴訟を起こされたのか?
端的に言うとウマ娘の育成システムの一部が、コナミ(KONAMI)が過去に発売したゲーム・パワプロ(プロ野球選手育成ゲーム)に酷似しており、その特許権を侵害しているというのが、コナミ(KONAMI)側の言い分のようです。
KONAMIがCygamesのウマ娘に対して訴訟
えらいこっちゃ pic.twitter.com/BKvhpuCIA2
— ターベル (@tarbel1) May 17, 2023
KONAMIとサイゲームズの訴訟は確実にサイゲ側が負けるでしょう
ウマ娘がパワプロからサポートカードを流用してますねhttps://t.co/5hLz8N6hlV pic.twitter.com/LuLtegjYqf— ラグクラフト (@zFfSaDQoggE8O2T) May 17, 2023
KONAMI「ウマ娘の育成システム、ウチのパワプロの育成システムと酷似しとるやん!訴訟や!!!」
サイゲ「(育成システムの特許期間もう過ぎとるから似てても問題ない上にサービス開始から2年過ぎとるのになんで今更言うてきてんねん…?)えぇ……」
ブルロPWC「明日は我が身か……?」 pic.twitter.com/AdjevE0UvG— ミヤムラゾロ (@miyamura2005) May 17, 2023
実はゲーム会社は、自社でゲームを開発する際、権利を守るために様々な特許を取得します。
しかし、新しい技術やシステムを開発するには莫大な資金と人材が必要であるため、現状、ゲーム業界におけるほとんどの特許技術は大手ゲーム会社が独占している状態です。
ただ、任天堂のように、ゲーム業界の発展のために特許保持者が使用料を請求しないケースもあるため、他社の特許を利用している会社全てが使用料を払っているわけではありませんが、今回、特許権侵害を主張しているのは、コナミ(KONAMI)であり、コナミ(KONAMI)は任天堂とはまた違う考え方であることから、今回の訴訟に至ったと思われます。
なぜリリース時ではなく、2年も経った今更訴訟になったのか?
今回、一部の人達から、なぜ今更訴訟を起こすのか?と疑問の声が上がっています。
しかし、これはちょっと誤解でして・・
実は、ウマ娘がリリースされた頃から、コナミ(KONAMI)とCygames(サイゲームズ)は水面下で特許権侵害のことで話し合いをしてきたと思われます。
そのことは、今回の訴訟におけるCygames(サイゲームズ)側の声明文からも事情が読み取れます。
当社は、コナミデジタルエンタテインメントと『ウマ娘 プリティーダービー』のゲームシステムおよびプログラムの一部について、特許権等の協議を誠意をもって行ってまいりました。しかし、当社の見解がコナミデジタルエンタテインメントに受け入れられることはなく、訴訟を提起される形となりました。
出典: Cygames(サイゲームズ)
そして結果的に話し合いが決裂したため、訴訟に踏み切り、それが今になったのではないかと思われます。
企業同士の話し合いは、一度や二度の話し合いで終わるものではなく、様々な条件において長期間で行われるため、話し合いが決裂するまで何年も時間がかかることは珍しくありません。
実はコナミ(KONAMI)の特許権は切れていた?
一部ネットの噂で、コナミ(KONAMI)の特許権は既に切れているのではないか?という意見もありました。
ただ、特許権はとても細かく、1つの技術やシステムに複数の特許権を取得するケースも珍しくないため、コナミ(KONAMI)がどの部分において権利を主張しているか、現時点でははっきりしていません。
ウマ娘の特許権侵害訴訟の件。特許の内容、特許出願のタイミング、特許切れの時期、侵害の成立不成立、損害額の妥当性。知財戦略のポイントが盛り沢山。原告コナミの主張と被告Cygamesの反論による攻防戦はいかに。火のないところに煙は立たず。儲かる匂いがしないところに知財訴訟は起こらず。
— 打越佑介/弁理士 (@yu_uchikoshi) May 17, 2023
よって、ネットで噂されている特許権の存続期間切れに該当するかは不明です。
詳しい争点は、今後の裁判の進展によって明らかになることでしょう!
白猫プロジェクト訴訟事件と同じなのか?
今回のコナミ(KONAMI)とCygames(サイゲームズ)の訴訟事件で、以前に「白猫プロジェクト」の特許権侵害の件で任天堂がコロプラ(白猫開発会社)相手に起こした訴訟について言及する人もいました。
しかし、結論を言えば今回の「ウマ娘」訴訟と白猫の訴訟事件は本質から全く別物です。
「白猫プロジェクト」訴訟事件の場合、前提に以下の事情がありました。
任天堂VSコロプラ(白猫)の場合
- 「白猫プロジェクト」をリリースしたコロプラは開発に用いられた技術の特許権を取得し、他社にライセンス料を請求しようとした
- しかし、コロプラが取得しようとした特許権の中には、任天堂が開発した技術も含まれており、その技術の特許権は既に任天堂が保持していた
- 任天堂は誰もが自由に利用できるよう権利を開放していただけなのに、それを後から現れたコロプラが権利主張
- 当初、任天堂は話し合いで和解しようとしていたが、コロプラが強気で折れなかったため、訴訟に発展
元々任天堂は、コロプラ相手に権利主張をする予定はありませんでした。
しかし、コロプラは任天堂が好意で開放していた技術権利を独占してライセンス料を取ろうとしたのです。
そんなことをすれば、コロプラは儲かるかもしれませんが、ゲーム業界の発展の妨げになりますよね。
しかも、コロプラが取得しようとした権利の中には任天堂が保持する権利も含まれていたため、色々な意味でコロプラは任天堂の逆鱗に触れてしまいました。
それでも話し合いで解決しようとしたのに、コロプラが応じなかったため裁判に発展した形です。
つまり、任天堂は最初から白猫というゲームの権利や利益が欲しくて裁判を起こしたわけではないため、コロプラが折れた時点で和解に応じたとも言えます。
ちなみに任天堂がコロプラに怒った理由は
任天堂『ウチで取った特許のシステムやけど、みんな仲良くいろんなゲームに使ってええからね』
他会社『わーい!!!!!!!』
コロプラ『これウチが特許出します!!!!!!!!』
任天堂『ちょっと待て』
コロプラ(知らんぷり)
今は和解してます←
— スーパーマダオ🍄 (@SuperMadaOdyssy) May 17, 2023
KONAMIがCygamesのウマ娘を訴訟したみたいですが
任天堂がバンダイの権利を侵害した際に金額の入ってない小切手を送った際に、『0』って書いた話好き。#KONAMI#ウマ娘#Cygames pic.twitter.com/GQbAynqNTD
— 柴やまと(U^ω^)わんわんお! (@YamatoShiba_) May 17, 2023
コナミ(KONAMI)VSサイゲームズ(Cygames)ウマ娘の場合
ですが、今回のCygames(サイゲームズ)とコナミ(KONAMI)はちょっと事情が違います。
現時点で様々な憶測が出ていますが、正式にはウマ娘のどの部分がコナミ(KONAMI)の権利侵害になっているかは不明です。
一部では、コナミ(KONAMI)の特許権が切れているという話も出ていますが、その話がどこまでウマ娘に関係するかもはっきりしていません。
ただ、コナミ(KONAMI)は任天堂と違い、ゲーム業界の発展云々に興味はありません。
コナミ(KONAMI)が自社の儲けを第一にしていることは有名な話で、今回、Cygames(サイゲームズ)相手に訴訟を起こしたのも、ただの利益追求のために過ぎないのは明白です。
KONAMIなぁ。金にがめつくてなぁ…。昔カメラワークの特許を取ったせいで、他のゲームのカメラワークが最悪になったのよな。任天堂は特許をとっても業界発展のために目を瞑るところがあるけどKONAMIはガチでガメるから好きになれん。
— マサナシのアイルー村 (@masanashi) May 17, 2023
Cygamesが特許とったことでコロプラとCygamesを同視する人がいるかもしれませんが、
「Cygamesは他社に対してウマ娘の特許でライセンス料を取ろうとした証拠」はありません。
この点はコロプラと大きく違います。
防御として特許を取得した可能性が高いです。
その点のみ注意。— たきがわみずきmkⅡ@💉💉💉💉 (@takigawamizuki) May 18, 2023
推測ですが
コナミ側としては
「うちの特許2つを審査官が参考にしてウマ娘は特許侵害しておらず特許権を認めたが、我々は納得してない。2つの特許を侵害している
法廷で勝負して白黒つけよう」
Cygames側
「審査官が審査して特許取れたから問題ない」
なのかと。
あくまで推測です(笑)。— たきがわみずきmkⅡ@💉💉💉💉 (@takigawamizuki) May 18, 2023
その辺の事実関係については今後裁判が進むにつれはっきりすると思われますが、ただ、現時点でコナミ(KONAMI)側はウマ娘に対して差止請求も含めて訴訟を起こしているため、Cygames(サイゲームズ)が敗訴した場合、サービス終了になる可能は極めて高いです。
サービス差し止めまで要求してくるとはずいぶん強気に出てるねぇKONAMI。
ここ、訴えりゃ金になるとわかった時はとことんだからなぁ……音ゲー隆盛のころ、いんたーねっつの裏側で賑わってたBMSが黙認されてた一方で同業他社リリースのVJには全力でケンカふっかけてたしなぁ。— 平敦司 (@tyrantnias) May 17, 2023
今のところ、Cygames(サイゲームズ)側はサービス提供を続行すると表明しているため、すぐにサービス終了することはありませんし、勝訴や判決が出る前に和解する可能性もあるのでなんともいえませんが・・・。
今後の裁判状況に注視したいですね。
こういうのもあるからすぐにウマ娘サービス終了(サ終)というわけではないよ
ウマ娘訴訟の争点はどこ? コナミに聞いた 回答全文 「遊びを奪うのが目的ではない」
トレンドワード:#ウマ娘 #サービス停止 #特許切れ #KONAMI #Cygames #コナミ #サイゲ pic.twitter.com/JTNKHz4j1u
— NottinTV(のっちんTV)@YouTube 新作アプリ評価TV (@Nottinjpn) May 17, 2023
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